2023年08月04日

友愛会を支えるナースたちVol.3

友愛会には総勢840名あまりの看護師が所属し、日々患者さんのケアにあたっています。今回は友愛医療センターの「がん治療」と豊見城中央病院の「回復期ケア」の分野において友愛会を支えるナースたち 自身の強みを生かして働く看護師をご紹介します。

がん治療

友愛医療センターはがん治療に力を入れており、手術、化学療法、放射線の標準治療体制も整え、さらに緩和ケアにも積極的に取り組んでいます。治療には主治医のほかにもさまざまな職種がチームを組んで患者さんに関わり、なかでも看護師は患者さんに一番身近な存在として、心身の看護に取り組んでいます。

不安や悩みには様々な種類と段階があり、患者さんに合わせた“声掛け”が大切

友愛医療センター
外来主任

高嶺 鮎美

Q1.ご自身の業務について教えてください

がんと診断されて通院されている患者さんに、その治療法に合わせたケアの提供をおこなっています。外来では短時間で患者さんの状態の変化をキャッチし、その変化や問題点にアプローチをする必要があります。体調面のフォローはもちろんですが、患者さんやご家族が抱える問題や悩みを解決するために必要な部署や専門のスタッフへつないでいく、そういった橋渡し的な役割も果たしています。

Q2.がん患者さんと接する際に心がけていることはなんですか?

治療法や患者さんの生活スタイルに合わせること、そして患者さんを支えている家族のことも意識しながらケアを行っています。手術前や手術後、放射線治療、化学療法など長期に渡る治療の中で患者さんが抱く不安や悩みには様々な種類と段階がありますので、その時々に応じた「声掛け」を大事にしています。

Q3.やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

患者さんに名前を覚えてもらえたときや感謝された時は嬉しいですね。名前で呼んでもらえると信頼関係が築けているのかなと感じますし、それがやりがいに繋がります。

Q4.やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

患者さんの抱えている問題の解決には多職種で取り組むことがとても重要になると思

います。私もチームの一員として多職種と協力しながら支えていきます。

患者さんの“仕事と治療の両立”へ、少しでも前向きになるように支えたい

友愛医療センター
がん化学療法看護認定看護師

久下本 陽

Q1.この資格について教えてください(どのような特性があるのか)

がんの薬物(化学)療法中の患者さんの看護において、安楽に薬剤を投与・管理することと同時に、他の看護師の指導・育成という役割もあります。

Q2.資格の取得前と後で変わったことはありますか?

取得のきっかけは「患者さんの質問に答えられるようになりたい」という思いからでしたが、取得後はただ質問に答えられるのが全てではなく、その患者さんが何を求めているのか、“質問に答えてほしい”のか“話を聞いてほしい”のか、お一人おひとりに合った接し方が必要だと実感し、そのような対応ができるようになりました。

Q3.患者さんと接する上で心がけていることはなんですか?

少しでもリラックスして治療に臨めるよう、化学療法室内ではジブリやディズニーなど(私の好みですが)穏やかな音楽を流したり、患者さんとスタッフが気軽におしゃべりできるような雰囲気づくりを心がけています。

Q4.今後の目標を教えてください

今後は治療前のオリエンテーションができるよう体制を整え、患者さんが少しでも前向きに治療に臨めるように支えていきたいと思います。

回復期ケア

豊見城中央病院は全268床のうち125床を回復期病床としており、整形外科手術や脳卒中などの急性期治療を経た患者さんの在宅復帰を目指して、日常活動動作のリハビリなどの支援を行っています。看護師は患者さんの日常生活における機能(ADL)を向上させるため、排せつケアなどの日常生活に直結した動作のリハビリや見守りを行っています。

急性期での経験を活かしつつ“患者さんと共に楽しむ”看護を実践

豊見城中央病院
3階回復期リハビリテーション病棟
(写真右)

仲間 麻衣子

Q1.ご自身の業務について教えてください

もともとはICUやHCUで急性期の患者さんをみていましたが、その中で脳卒中の患者さんがどのようにして在宅復帰できるようになるのか興味を持ち、その過程に関わりたいと思い回復期病棟での勤務を志願しました。一般的に回復期の患者さんの中には合併症を起こす方も少なくないのですが、急性期での経験を活かして、合併症が起こる前の体の異変やサイン等を見逃さないよう注意を払って日々患者さんのケアにあたっています。

Q2.患者さんと接する上で心がけていることはなんですか?

「患者さんに楽しんでもらうこと、共に楽しむこと」を心がけています。というのも、私が所属する3階病棟は脳卒中後のリハビリを行う患者さんも多くいらっしゃり、ご自身の体に残った麻痺などの不自由さに直面して落ち込むことも少なくありません。そうした方々に対する声掛けなどによる精神的なサポートを心がけているほか、最長で180日間と長期入院される方もいらっしゃるので、そうした方に入院中も四季を感じるなどして少しでも楽しんでもらいたい、と今年はじめには「友愛神社」を制作しました。リハビリを渋る患者さんもいらっしゃるのですが、「神社に手を合わせに行こう」と声掛けをして、神社に寄った後にそのままリハビリ室まで案内するなど、楽しんでもらう以上の効果を発揮しています。

回復期リハ看護における自己研鑽を積み重ね、後進の育成にも注力したい

豊見城中央病院
4階回復期リハビリテーション病棟

谷本 真一

Q1.ご自身の業務について教えてください

回復期リハの看護師になって約15年になります。回復期の患者さんやご家族により質の高い看護を提供したいと思い、13年前に「回復期リハ看護師」という資格を取得しました。資格を取得したことで、研究発表を行ったり研修に参加して県内外他施設の取り組みなどを学ぶ機会が増え、当院のよりよい看護の提供にも繋がっていると感じています。

Q2.やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

患者さんと話すのが好きなので、患者さんの不安や悩みをじっくり聞いて、家に戻れるためにはどうすればよいのか考えることにやりがいを感じます。ケアを実践してうまくいかないこともありますが、そんな時は次に繋げられるようにプランを練っていきます。休日もよく業務について考えているのですが、そういう時にふっといいアイデアが浮かぶことも結構あるんですよ。そして患者さんが自宅に帰る時はやはり一番嬉しく感じますね。

Q3.今後の目標について教えてください

今後は後進の育成にも力を入れていきたいと考え、今年5月から病棟内の入職1~3年目の看護師を対象にした勉強会を実施しています。回復期リハに関する知識を深めてもらい、患者さんはもちろん、職員も楽しく過ごせる環境をつくっていきたいです。