乳房再建外来を新設しました
2014 年1 月に人工乳房による乳房再建の保険適応が拡大されたことを受け、乳房再建を希望する患者さんが増えてきました。当センターでは、患者さんにより良い治療の選択肢を与えられるよう、乳房再建外来を開設し、乳腺科と形成外科が緊密に連携をとり、乳がん手術と乳房再建術を行っています。
乳房再建術とは
乳がんの手術により切除された乳房をもう一度取り戻す手術です。乳房再建を行うことにより乳房の喪失感が軽減し、補正パットが不要になるなど日常生活の不都合が減少されます。
乳房再建の時期
時期に関しては、乳房切除と同時に再建を行う一次再建と、乳房切除後しばらくして再建を行う
二次再建があります。一次再建は、乳房切除と同時に再建手術をすることで、術後の乳房の喪失感が軽くなります。二次再建は、乳房切除後しばらくして再建を行う方法で、乳がんの治療と再建を分けて考えることで心に余裕を持って治療にあたることができます。
乳房再建の術式
乳房再建の術式は、患者さん自身のお腹や背中の組織を使う「皮弁法」と、シリコン製人工乳房を使う「シリコンインプラント法」の2つに大きく分けられます。また、両方を併用する場合もあります。
※当院では上記の方法いずれも対応可能です。乳がん治療による放射線照射や化学療法、切除後の乳房組織量によって選択できる術式が限られる場合があります。
“根治性”と“整容性”を両立させた乳がん治療を目指して
形成外科って何をする科なの?美容外科とは違うの?患者さんはもとより、医療者からもよく聞かれます。その理由は消化器内科、消化器外科、乳腺外科などのように特定の器官の呼称がないためだと思います。形成外科とは「形を成す外科」、つまり“ かたち” を作る外科であり、特定の臓器や器官ではなく体の全てを対象としています。私は形成外科医の使命は“かたち” を作り、生活を豊かにすることだと考えます。乳房再建においても、乳腺外科と協力して乳がんの“根治性” はもちろんのこと、“かたち” を通じて乳がんを乗り越えた先にある生活を考えた治療に全力を尽くします。
友愛医療センター 形成外科
高原 英作 医師
・形成外科専門医
・日本美容外科学会(JSAPS)
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
・乳房再建用エキスパンダー・インプラント責任医師
乳房再建をご希望される患者さんへ
まずは乳腺外科外来で担当医師から案内があるのでご希望をお伝えください。また、すでに乳がんで乳房切除後の患者さんについても二次再建が可能かご気軽にご相談下さい。
TEL.098-850-3811
【受付時間】月~金曜日の午前9時~午後4時 【休日】土・日・祝日、年末年始
乳房再建に関するその他の手術について
現行の保険診療では行えない脂肪注入や健側の乳房縮小、乳房リフトなどの治療も関連施設で行なっていますのでご気軽にご相談下さい。