2023年12月01日 #セカンドオピニオン #センチネルリンパ節 #乳がん #乳がん治療 #乳房全切除 #乳腺外科 #亀田総合病院 #低侵襲 #内視鏡手術 #化学療法 #抗がん剤治療 #頭皮冷却療法

友愛医療センターの乳がん治療

当院における乳腺診療は、「乳がんを美しく治す」「より安全な医療の提供」を目標に、2次検診・診断・治療を行っています。また診療においては、乳がんに限らず、乳腺の良性疾患（良性腫瘍、乳腺炎等)についても幅広く対応しています。さらには他院で定期検査あるいは加療してこられた方に対する検査、治療の引継ぎ、セカンドオピニオンにも対応しています。また当科では紹介状をお持ちでない患者さんでも初診対応させていただいております。

乳腺外科部長　中島裕一医師

最小限の傷を目指して

乳がん手術では、病状と患者さんのご希望を踏まえ、十分に検討を重ねた上で、術式を決定していきます。当院では、「乳がんを美しく治す」を目標に、より手術による傷を小さく目立たなくするために、適応となる方には内視鏡手術を取り入れています。内視鏡手術は、乳輪と腋窩の2ヶ所からの小さな傷で、乳房全切除、部分切除、乳輪乳頭温存乳房切除など様々な術式に対応しています。一方、乳がん手術では最初に転移すると考えられる腋窩のリンパ節を確認し、手術中の迅速検査にて転移の有無を判断するセンチネルリンパ節※1生検を同時に施行します。当院ではRI法と色素法の併用により、より精度を高めてセンチネルリンパ節生検を行っています。

※1 センチネルリンパ節…がん細胞が最初に転移するリンパ節のことをいいます

当院の化学療法

乳がんの化学療法は大まかに手術前に施行する「術前化学療法」、術後再発予防を目的とする「術後補助化学療法」、さらに進行転移がんに施行する「化学療法」に大別されます。術前化学療法と術後化学療法は、投与内容により施行回数が決まっています。この場合、少しでも抗がん剤による脱毛の程度を軽減するために頭皮冷却法（詳細は次ページ）を取り入れました。また長期点滴による抗がん剤投与が必要な方には、より安全に薬剤投与するために静脈ポート（血管に留置した管をタンクにつなぎ、これを皮下に埋め込む)留置を施行しています。この静脈ポートからは一般の採血が可能で、さらに造影剤を使用したCTおよびMRI検査も可能となります。

化学療法による脱毛を軽減する頭皮冷却療法

～沖縄県下では当院が初～

抗がん剤治療は、血管を通して全身に運ばれますが、頭皮で髪の毛を作る毛母細胞も攻撃します。そのため治療の開始から約2週間後に脱毛が起こりますが、頭皮冷却をすることにより、毛細血管が収縮し、毛母細胞に流れる抗がん剤の量を減らすことで脱毛が軽減すると言われています。

がん化学療法看護認定看護師　久下本陽さん

頭皮冷却療法とは

頭皮冷却装置は装置内でマイナス4度に冷却した冷却液を専用のキャップ内に循環させ継続的に頭皮を冷却します。
頭皮冷却を行うことにより、化学療法が毛包に与えるダメージを軽減でき、発毛回復への効果があります。冷却時間は薬剤投与前30分から薬剤投与中、投与後90分間を継続して頭皮を冷却します。

費用

●冷却キャップ代金：99,000円（税込）
●頭皮冷却装置使用料：14,300円/回（税込）
※医療費と別の請求になります。

乳がん治療・頭皮冷却療法に関するお問い合わせ

TEL：098-850-3811 【受付時間】月～金：8:30～17:30/土:8:30～12:30 【休日】土:午後、日・祝日

低侵襲の乳がん治療法、凍結療法をご紹介します

凍結療法とは、液体窒素でマイナス170℃まで冷却した針を乳がんに刺すことでがんを死滅させる治療法で、乳がん手術の代わりに行う切らない治療です。
亀田総合病院（千葉県鴨川市）が2006年から世界に先駆け系統的に始めた凍結療法は、これまでに600名以上の方が治療を受けられており、患者さんは国内各地や海外からも来院され、症例数は世界一となっています。乳房内での乳がんの再発は1％以下です。また、乳房を切除しないので、乳房の形も保て、痛みも少ないことが特徴です。
凍結療法のみの場合、1時間程度の日帰り手術です。センチネルリンパ節生検という手術が合わせて必要な方は2泊3日の入院が基本となりますが、いずれも局所麻酔なので、手術直後から歩くことも食事もできます。乳がんにはいろいろなタイプがあり、またいろいろな広がり方をしますが、凍結療法の対象となる方は、ルミナルAという予後良好な乳がんで、広がりが15㎜以下となります。

友愛医療センターと亀田総合病院は外科専門医教育、乳腺専門医教育で連携し、医師は両病院で教育研修を受けています。そして両病院は治療においても連携しており、その一つがこの凍結療法です。
亀田総合病院乳腺科のカルテは友愛医療センターでも確認することができるようになっているため、治療前と治療の計2回は亀田総合病院で、それ以外は友愛医療センターで検査や治療を受けていただくことが可能です。沖縄県内で凍結療法に関心のある方は、千葉県まで来ることなく、友愛医療センター乳腺科を受診してください。