ついに導入! 手術支援ロボット 「ダヴィンチ(da Vinci Xi)」

友愛医療センターでは、このたび新たに手術支援ロボット「ダヴィンチ(da Vinci Xi)」を導入しました。ダヴィンチとは、低侵襲手術(患者さんの体への負担が少ない手術)を行うための医療機器の名称で、先端技術を応用して開発されています。当院は今年8月から、腎・泌尿器外科でダヴィンチを使用した前立腺全摘出手術を保険適用によって行うことが可能となりました。今後は他の手術や部位にも活躍の場が広がると期待されています。

ダヴィンチとはどんなロボット?

ダヴィンチの機器は患者さん側と医師側の2つに分かれていて、医師側の機器による遠隔操作で、患者さん側のロボットアームを動かして手術を行います。手術室内では通常の手術と同様に執刀医と助手医師のほか、麻酔担当医、看護師、臨床工学技士といったスタッフが、ダヴィンチ取扱いのためのトレーニングを経て手術をサポートします。

ダヴィンチのここがすごい!6つのメリット

1)傷口が小さい

通常4~7cm程度下腹部を切らなければならないのですが、ダヴィンチでは1-2cmの小さな穴を数カ所に開け て行うため、傷口が小さいのが特徴です。 ※ただし、場合により切除した臓器を取り出すため4cm程度の開腹が必要になる場合があります。

2)手術時の出血が少ない

開腹手術と比較して出血量を極端に少なく抑えることができるのも特徴です。そのため、前立腺全摘除術は比較的 出血量の多い手術でしたが、ダヴィンチではこれまでより少ない出血量で手術を行うことができるようになります。

3)患部の的確な切除

視野を拡大して手術部位をより正確に把握できるため、病変している部分の的確な切除や形成が可能となります。

4)身体機能の温存率向上

これまでの開腹手術に比べ、ダヴィンチによる前立腺全摘出手術では、尿失禁や勃起機能の回復率が上昇する傾向にあると報告されています。

5)手術後の痛みが少なく、回復が早い

これまでの開腹手術に比べて傷口が小さいため、術後の痛みは少なく、さらに身体の回復は早い傾向にあります。

6)手術後の合併症リスクが低い

これまでの開腹手術に比べて傷口が小さいため、傷口の感染率や腸閉塞などの手術後合併症発生率が低い傾向にあります。

前立腺全摘除術の場合の手術創の一例(赤い部分が切開部分)
左が切除手術をする場合、右がロボット支援手術の場合

  • ただし、ロボット支援手術の場合でも切除した臓器の摘出のために約4cm程度の切開をすることがあります。

今後、様々な手術で導入していく予定です

泌尿器外科に加えて、6月には消化器外科でもロボット支援手術を開始しております。さらに他の診療科でも順次導入ができるよう、医師、看護師、医療技術職が研修や資格認定に向けて活動しています。

da vinci xiと泌尿器外科チーム
消化器外科チームの手術風景

(広報誌ゆうあい2022年7月掲載記事より抜粋、再編集)