豊見城中央病院は「慢性痛」治療にチームで取り組んでいます。

病気や怪我による痛みは一過性であり急性痛と呼ばれますが、なかには病気や怪我などが原因となる傷病が改善しても、痛みが続いたり、新たな痛みを感じたりすることもあります。このように長く続く痛みを「慢性痛」といいます。

痛みが長く続くと、仕事や家事など日常生活に支障をきたし「この痛みはきっと良くならない。自分は何もできない」という否定的な考えや抑うつ気分、不安が生じることがあります。そのような場合、より強く痛みを感じるようになるという悪循環に陥ることが指摘されています。

「全人的痛みセンター」を開設

そこで豊見城中央病院では、痛みを部分的な問題として捉えず、痛みに関連した人間関係や経済的心配などの身体と心の苦痛や苦悩・社会的苦悩との相互関係から生じるトータルペイン(全人的な痛み)として捉え、患者さんやそのご家族を含む多職種で話し合いながら集学的に治療を行うことができる「全人的痛みセンター」を2020年8月に立ち上げました。同センターでは慢性痛だけではなく、がん性疼痛や非がん性疼痛などのさまざまな痛みに対しても多職種で多用な治療を行っています。このような治療ができる医療機関は全国的にもまだ少なく、同センターは厚生労働省の「慢性疼痛診療システム普及・人材育成モデル事業」の施設に指定されるなど先駆的な治療を行っています。

急性痛と慢性痛の治療は異なります

急性痛は、痛みの原因となっている怪我や病気の治療を行い改善することで、自然と痛みも消失・軽減していきます。「痛みに対する治療」というよりも、「痛みを抑えるための治療」を行います。

しかしながら、慢性痛は複雑な要因が絡み合って生じることが多く、痛みを抑える治療に加えて、痛みにとらわれない生活も目標とした心理療法や運動療法、認知行動療法などを用いて、痛みに対する反応や思考パターンを変えるなどの教育・指導的なアプローチも重要になります。 そのため多職種で構成されるチームで患者さんの治療を行う体制が必要であり、豊見城中央病院はその体制を整えています。

集学的治療の種類

豊見城中央病院で行う集学的治療の流れ

まずはご相談ください!

豊見城中央病院では、かかりつけ医や地域の医療機関の先生方と連携しながら、長引く痛みでお困りの皆さんの暮らしや治療のサポートをしていきます!
痛みでお困りの方は、かかりつけ医とご相談の上、まずはお電話ください。

(広報誌ゆうあい2021年5月掲載記事より抜粋)