血糖値の自己管理で糖尿病合併症を予防
豊見城中央病院糖尿病・生活習慣病センターでは、医師・看護師・薬剤師・健康運動指導士・管理栄養士などの専門知識を持った多職種が連携し、生活習慣病の進行による合併症を予防するための治療と生活習慣病の改善に向けた支援を行っています。今回は、糖尿病の合併症を予防するためにご自身でもできる血糖値管理方法についてご紹介します。
糖尿病の合併症とは?
糖尿病は初期症状がほとんどないため、健康診断で「糖尿病疑い」と判定されても病院を受診せず放置する方や糖尿病治療を自己中断する方がいます。
しかし、高血糖の状態が長く続くと、血管や神経に障害を与え合併症を引き起こすリスクが高くなります。特に細い血管が集中している腎臓、眼、神経は高血糖による影響を受けやすく、気付いたときには重症化していることもあります。
血糖管理の常識が変わる!? 血糖測定器とは?
糖尿病の血糖値測定と聞くとイメージするのは、指先に針を刺し少量の血液で測る血糖自己測定(SMBG)ではないでしょうか。近年、専用のセンサー(細い針)を皮膚に取り付け、皮下組織の間質液中の血糖値を継続的に測定できる「持続血糖モニター」という機器が登場しました。持続血糖モニターのセンサーは使い捨てで、10日~14日間続けて装着でき、装着したまま入浴することが可能です。
持続血糖モニターの特徴
(1)血糖値の流れをグラフで見ることができる
寝ている間もセンサーが持続的に間質液中の糖値を測定しているため、2週間の連続した血糖値の変化をグラフで見ることができます。自身の食事、運動、睡眠時の血糖の変化や薬の効果を把握しやすくなり、適切な治療に役立てることができます。
(2)高血糖、低血糖をアラームで知らせてくれる
血糖管理において、低血糖は特に注意が必要です。低血糖が頻繁に起こると心血管系障害のリスク、転倒のリスクが高まり、高齢者では認知機能への影響が危惧されます。あらかじめ数値を設定しておくことで、高血糖、低血糖になるとアラームで知らせてくれます。
11月14日は世界糖尿病デー
IDF(国際糖尿病連合)によると、糖尿病は世界の成人のおよそ10人に1人(10.5%)が抱える病気で、年間670万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などが原因で死亡しています。これは世界のどこかで、5秒に1人が糖尿病に関連する病で命を奪われている計算です。そのため、11月14日を世界糖尿病デーと定めて「糖尿病」について深く考えてもらう日としています。
糖尿病教室のご案内
当院では糖尿病教室を定期的に開催しています。
開 催:毎月1回(2時間程度)
講 師:医師、看護師、薬剤師、 栄養士、運動療法士
対象者:当院通院患者
対象者へは医師又は看護師よりお声掛けします