認知症をもっと知ろう① ー認知症の概要ー
9/21は「世界アルツハイマーデー」、そして9月は「認知症月間」でした。
今回のWEBMAGAZINEでは、認知症の概要や認知症予防や治療に対する友愛会の取り組みについて、3回にわたってご紹介します。
今や誰もがなりうる認知症について、この機会に理解を深め、認知症やその身近な方々が自分らしく暮らせる社会づくりについて考えてみませんか?
認知症ってどんな病気?
認知症とは、脳の病気や障害などが原因となり、認知機能が低下し日常生活に支障をきたす状態のことを言います。 2022年度の国の調査によると、65歳以上の高齢者の約3人に一人が認知機能になにかしらの症状がある(12.3%が認知症、15.5%が認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI))という結果が出ています。 認知症は誰もがなりうる病気なのです。

認知症には種類があります
認知症にはさまざまな種類があり、中でも代表的な4つが「4大認知症」と言われています。 ここでは、これら4つについてご紹介します。
- アルツハイマー型認知症
脳の中にたんぱく質(アミロイドβ)が異常に蓄積して徐々に神経細胞の働きを悪くし、最終的には神経細胞が死んでしまう、認知症の中で最も多い病気です。 - 血管性認知症
脳卒中や慢性的な血流障害といった脳血管障害によって認知機能が低下する病気です。 - レビー小体型認知症
大脳や脳幹に「レビー小体」というたんぱく質がたまり、脳が委縮することで起こる病気です。 - 前頭側頭型認知症
初老期(65歳未満)に発症することが多い、前頭葉や側頭葉を中心に萎縮がみられる病態で、ピック病、運動ニューロン疾患などいくつかの異なる病気が含まれます。
認知症に関するQ&A
Q1 物忘れとはどう違うの?
A1 加齢による物忘れは、体験の一部を思い出すことができますが、認知症は体験全体を忘れるほか、日常生活 に支障をきたす障害がみられます。
Q2 認知症になったらもう治らない?
A2 認知症は完治が難しい進行性の病気ですが、薬により進行を緩やかにすることができます。
また、認知症は生活習慣や投薬での予防、検査での早期発見が可能です。
Q3 家族の様子が最近おかしい…認知症かどうか確認する方法はあるの?
A3 アルツハイマー型認知症は検査で早期発見できます。 検査を受けた方が良いかもわからない…、まずは相談したい、という場合はお住まいの自治体や地域包括支援センターへご連絡ください。
〔豊見城市地域包括支援センター友愛 TEL:098-850-1324〕
Q4 認知症の方とは、どんな風に接したらいいの?
A4 認知症の方はご本人が一番不安を抱えています。接する際は、相手の気持ちに寄り添い安心感を与えることを意識しましょう。

インタビュー
認知症と共に生きる 〜 私たち家族はこうして認知症と向き合っています 〜
今回インタビューしたのは、当事者の男性(87歳)とそのご家族(妻:78歳)。
同じような境遇にいる方々の参考や励みになれば、と貴重なお話を聞かせていただきました。
妻: 夫は4年前に脳梗塞を起こして、その経過受診を続けていた1年半前に、クリニックの先生から「アルツハイマーの疑いがある」と言われました。
夫:現在は体調に波があり、良い時と悪い時が一定のサイクルでやってきます。 夜はあまり眠れず、そのうち歩き回ったりしないか、という不安があります。
妻:実際はよく寝ていますが、本人は不安なんでしょうね。 普段は掃除・洗濯などの家事もしていて、同じ話を繰り返すことはありませんが、以前より物忘れは増えています。また、まれに「昨夜部屋に人がいたよ」などと言うことはありますが、私はさらっと受け流します。というのも、同じように認知症のご家族を持つ知り合いから「こんなこともあったよ」と教えていただいたから。事前に心構えできるというのは大事なことです。
妻:どんな病気も本人が一番ショックを受けるもの。こちらが同じく落ち込んでも仕方がな い。それよりも「一緒にやっていくから、手伝えることはなんでも言ってね!」と支える気持ちを持たなくちゃ。周囲の皆さんには「私が夫の第一秘書です!」と伝えています。
妻:時には喧嘩することもあります。わざとやっているわけではない夫をつい非難してしま い、自己嫌悪に陥ることもしょっちゅうです。そんな時は趣味の読書やジム、古典芸能を楽しんで気分転換しています。時間が経つとお互い冷静になって悪い方が謝る、ということができています。
夫:妻の明るさに救われている部分も大きいです。
妻:誰しも歳を重ねればあちこち故障も出てくるもの。今までの長い道のり、お互いに尊重して歩んできたので、病気のこともこれからのことも、前向きに考えています。
インタビューを通して、どんな境遇にあっても互いに思いやり共に歩んでいこうという、お二人の強い絆が感じられました。
