TAVI100症例 達成しました!
このたび友愛医療センターは、大動脈弁狭窄症に対する「経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)」の治療実績が100例を達成しました。豊見城中央病院から友愛医療センターへ移転した際に、ハイブリッド手術室が装備されたことでTAVIができる環境となり、2024年6月3日までに計100名を超える患者さんがこの治療を受けられました。TAVI治療に力を注ぐ循環器内科部長の嘉数真教医師、心臓血管外科の楢山耕平医師に100例達成の思いと今後の展望についてメッセージを寄せていただきました。

TAVIとは
TAVIとは経皮的大動脈弁植え込み術の略称で、重症の大動脈弁狭窄症に対する治療法です。カテーテルを使用して患者 さんの血管内から心臓に人工弁を留置し、血流を改善するための手術です。
担当医よりメッセージ
循環器内科部長 嘉数 真教 医師

友愛医療センター移転後、TAVI導入に向けてハートチームが結成されました。2020年8月にキックオフミーティングを開催し、県内の先駆施設である琉球大学病院を見学させていただきました。 当時はコロナ禍の真っ只中でしたが、9回にわたり見学させていただいた岩渕先生をはじめとする 琉球大学病院ハートチームには感謝の気持ちでいっぱいです。
2021年7月3日に1例目のTAVI治療開始後、これまで計100名の患者さんにこの治療を行うことが できました。これもひとえに大切な患者さんを紹介していただいた県内の先生方のおかげだと考えています。おかげさまで、今のところ院内死亡・緊急開胸術もなく治療を行うことができています。
我々ハートチームは、合併症を起こすことなく安全第一で、さらにできるだけ低侵襲で治療を提供するという目標を持ち、日々治療に取り組んでいます。一方で、医療とはやはり患者さん中心であるべきだと考えています。かかりつけ医の先生も含め地域全体でいい医療を行うことによって、我々医療従事者 は沖縄県民の皆さまに貢献できるよう、踏ん張っていかねばと考えています。
心臓血管外科医長 楢山 耕平 医師

TAVI100例達成について、率直に嬉しい反面、まだまだこれからという気持ちもあります。しかしながら無事100例を終え、手術時を含めて入院中に亡くなられたケースや脳梗塞がともにゼロであったことは、一般的なTAVIの成績と比較すると素晴らしい成績であり満足しています。ひとえにチームリーダーである循環器内科の嘉数部長とそれを盛り立ててくれたコメディカルの力のおかげだと感じています。
一方、100例はまだまだ通過点に過ぎず、これからの課題や目標はたくさんあります。具体的には透析をされている患者さんへの提供、さまざまなTAVIのアプローチ方法の習得、そして今後増えてくるであろうTAVI後の患者さんへの再TAVIや外科的大動脈弁治療後の再TAVIなどです。
また外科医としてTAVIに関与する以上、前述の課題とは別にTAVIを見据えた大動脈弁への外科的治療介入も大きな課題と感じています。