知ってほしい 未来のための子宮頸がん予防
みなさんは子宮頸がんについて、どのような病気でどういった症状、予防法があるか知っていますか?日本では現在、毎年約1万人の女性が新たに子宮頸がんと診断され、約3000人が命を落としています。
20~30歳代の若い世代で増えていますが、早期発見できれば治療しやすいがんとされ、定期的な検診とワクチン接種が大切だといわれています。未来の自分自身と身の回りの大切な人を守るため、子宮頸がんの正しい理解と予防法について考えてみましょう。

子宮頸がんってどんな病気?
子宮頸がんは、子宮の入り口部分(子宮頸部)にできるがんのことで、主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こります。一般的に他のがんは高齢になるほど発症率が高くなりますが、子宮頸がんは20歳代から上昇し、40歳代でピークをむかえるといわれています。

検診を受ければ大丈夫?
子宮頸がん検診は、がんの早期発見・早期治療が目的です。検診ではがんの発症を防ぐことはできません。子宮頸がんの原因となるHPV感染をHPVワクチン接種によって予防することが大切です。

各国との比較
多くの国では、子宮頸がん予防への意識は高く、接種完遂率が80%を超える国もあります。一方、日本のHPVワクチン接種率は1.9%と低い水準にとどまっています。さらに日本は子宮頸がん検診の受診率は44%ですが、世界の先進国では80%の女性が受診している国もあり、今や先進国では多くの女性に“必要な検診”と捉えられています。

子宮頸がんQ&A
Q HPVワクチンの副反応はありますか?
接種後に発熱や接種部位が腫れたり、しこりができたりすることがあります。通常は数日程度で治まります。気になる症状がある場合は接種を受けた医療機関の医師に相談してください。万が一、健康被害が生じた場合は「予防接種健康被害救済制度」もしくは「医薬品副作用被害救済制度」の対象となります。
Q HPVワクチンを接種したかどうかわからないのですが
母子健康手帳や予防接種済証などで確認できます。母子健康手帳を紛失された場合は住民登録のある自治体で予防接種の記録を確認できる場合があります。
豊見城中央病院附属健康管理センター センター長 鈴木 真 医師

子宮頸がんはヒトパピロマウイルス(HPV)の感染により起こることがわかり、HPVワクチンが開発されて、オーストラリアでは性交渉前のこども達(男女)に接種するようになり子宮頸がんがまれながんになりつつあります。しかし、日本では定期接種として小6~高1までの女性のみを対象としていますが、接種率が60~70%と低迷しています。このままでは子宮頸がんにより妊娠を希望する女性がそれを諦めたり、命を失うリスクを負い続けなければなりません。ワクチン接種で予防ができる数少ないがんです。周りの方とHPVワクチンについて話してみてください。