胃がんに対するダヴィンチ手術を開始しました
友愛医療センターでは、手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術の症例が広がりをみせています。2022年5月に腎・泌尿器外科(腎臓がん、前立腺がん)からスタートし、消化器外科(直腸がん)、心臓血管外科(僧帽弁閉鎖不全症)においても行われています。そしてこのたび、新たに胃がんに対する手術を開始しました。
認定施設として県内初の症例を実施
このたび、当院はロボット手術をするための施設基準を満たした医療機関で県内初となるロボット支援下幽門側胃切除術を行いました。
手術は当院消化器病センターの二宮基樹センター長が執刀し、この分野で世界をリードし1000例以上の臨床経験を持つ藤田医科大学病院(愛知県豊明市)の宇山一朗教授(ダヴィンチ低侵襲手術トレーニング施設長)を招いて行われました。
手術支援ロボット「ダヴィンチ」とは
「ダヴィンチ」は、ロボット支援下手術を行う装置です。患者さんのお腹にあけた小さな穴に手術器具を取り付けたロボットアームと内視鏡を挿入し、医師がサージョンコンソール(写真右)と呼ばれる操作ボックスの中で内視鏡画像を見ながらアームを遠隔操作し手術を行います。
ダヴィンチの特徴と胃がん手術におけるメリット
手術支援ロボット「ダヴィンチ」には、高度な多関節機能や手ぶれ防止機能、高画質でリアルな3D画像などの特徴があり、精密で安全性の高い手術を行うことができます。
胃がんの手術においては、すい臓のような胃の周辺にある臓器や血管を傷付けることなく、病変を切除することができるため手術時の出血量や合併症リスクが低くなることが臨床試験で確かめられています。ロボット支援手術の施設基準と術者認定を満たした当院では、保険診療で胃がん手術を受けることができます。
患者さんへメッセージ
当院消化器病センターセンター長 二宮 基樹医師
術後は患者さんの身体に負担が少なく、やはりロボット手術は低侵襲であると実感しました。テクノロジーの最先端であるロボット手術は「究極のチーム医療」であり、医師、看護師、臨床工学技士らスタッフ全員が一丸となることが重要だと考えています。
一方、従来の開腹、腹腔鏡で対応すべきケースもあり、患者さんにとってより適切な術式を行うために3つの領域とも技術を磨いていくべきだと感じています。
藤田医科大学病院ダヴィンチ低侵襲手術トレーニング施設長 宇山 一朗教授
ロボット手術では、執刀医の手の震えといった腹腔鏡手術における技術的なハードルが解消され、手術がより安全に行いやすくなりました。
また、術後の合併症に関しては腹腔鏡よりも少ないことが臨床試験で明らかになっています。従来の腹腔鏡手術を補完し、精密で安全性の高い手術が行えることがロボット手術の利点だと考えています。
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友愛医療センター地域連携室
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