脳海馬AI解析検査で脳の健康状態を”見える化”

健康管理センターでは、健康診断のオプション検査として脳海馬AI解析検査を実施しています。今回は、海馬の働きや認知症とのつながり、同検査の概要などについてお伝えします。

海馬は”記憶の司令塔”

日常的な出来事や学習して覚えたことなど新しい記憶は海馬でいったん整理整頓され、大脳皮質というところへ保存されていきます。つまり、短期的記憶は海馬、長期的記憶は大脳皮質で保存されるというわけです。ただし、すべての情報が大脳皮質へ送られるわけではなく、海馬が「忘れても良い」と認識した情報は海馬で保存されずに大脳皮質へも送られず、それにより人は忘れるとされています。

物忘れを招く「海馬の萎縮」

記憶において重要な役割を果たす海馬ですが、30歳前後から萎縮が始まり、50歳を過ぎると急速にその体積が減少するといわれています。海馬が萎縮すると、新しい情報を覚えにくくなったり、一度しまった記憶を取り出すことがすぐにできなくなったりします。加齢とともに「物覚えが悪くなった」「物忘れが多くなった」といった現象が起こるのは、海馬の萎縮が大きく関わっています。

認知症と海馬の関係

海馬の働きは、認知症にも大きく関係しています。認知症は上記で説明した加齢による物忘れとは違います。加齢による物忘れは誰もが経験することなのに対し、認知症は病的な状態をさします。認知症の代表的な一つであるアルツハイマー型認知症は、異常なタンパク質が脳内に溜まって海馬の萎縮や破壊を引き起こし、新しいことを覚えられなくなります。その後、他の脳神経細胞も破壊されて脳全体が萎縮し、記憶機能以外の身体機能にも障害が出てきます。

健康的な生活習慣で海馬の萎縮を防ごう!

海馬の萎縮の原因には、ストレスや睡眠不足、過度のアルコール摂取といった生活習慣が大きく関わっています。これらの不健康な生活習慣が続くと、アミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積します。これが、前ページで紹介した「異常なタンパク質」のことで、不健康な生活習慣は単に物忘れだけでなく認知症を引き起こす可能性もあるのです。一度萎縮した海馬をもとに戻すことはできませんが、健康的な生活習慣を送ることで萎縮のスピードを緩めることは可能です。
海馬の萎縮を進行させないために、健康的な生活習慣を心がけましょう。

脳海馬AI検査で海馬の体積と年齢をcheck!

ここからは、当センターで実施している「脳海馬AI解析検査」についてご紹介します。自身の海馬の状態を把握して、日頃から脳の健康を意識しましょう。

費用について

11,000円(税込)
健診コースにかかわらずお申し込みいただけます。脳ドック検査と組み合わせることで脳の状態をより詳しく知ることができます。

お問い合わせ先

豊見城中央病院附属 健康管理センター 
TEL:098-852-2000(月〜土:9時〜15時) ※土曜日は不定期営業となります。

関連リンク

豊見城中央病院附属 健康管理センター

オプション検査