皮膚の”赤み”を改善 Vbeam II
友愛医療センター形成外科では、皮膚の赤みやニキビなどに対してVbeamIIを用いた「色素レーザー照射療法」という治療を実施しています。この治療法を取り入れている医療機関は県内でも当院を含め数か所しかなく、小さなお子様からご高齢の方まで、幅広い世代の皮膚の悩みに対応しています。今回は、VbeamIIの概要や当院での治療における特徴などについて詳しくご紹介します。
どんな治療法?
VbeamIIは、色素レーザーで皮膚の赤みや血管腫などを治療する医療機器です。血管や血液中の過剰なヘモグロビンが集まった病変部に、赤色に強く反応する色素レーザーを当てることで、照射部のヘモグロビンがレーザーの光を吸収して血管を熱破壊し、毛細血管が閉塞します。
その後、熱破壊された毛細血管が正常組織に置き換えられることで、皮膚の赤みが薄くなっていきます。通院して複数回にわたってレーザーを照射することで、赤みが徐々に少なくなっていきます。

対象となる症状と保険適用について
VbeamIIによる治療は、症状によって保険適用と自由診療(保険適用外)に分かれます。

当院のVbeam IIの特長
強みその1 他科との連携
当科では、麻酔科と協力して小児の患者さんの全身麻酔下による日帰りレーザー治療を行なっています。“全身麻酔”と聞くと不安に感じる親御さんもいらっしゃるかと思いますが、クリニックなどでは対応が難しい広範囲の患部に対しても、麻酔科の医師の管理下で安全に治療を進めることができます。
乳児血管腫に関しては、小児科と協力してヘマンジオルという薬の内服治療もレーザー治療と並行して行っています。へマンジオルは副作用があるため、服用の際は最初に1週間ほどの入院で血圧管理などを行いますが、その間も、小児科の医師と相談・情報共有しながら治療を進めます。へマンジオルの内服とレーザー治療を同時に進めることで、より高い効果が期待できます。
強みその2 詳細な画像確認
赤ら顔の治療の際には「rebeau(レビュー)」という機械を活用しています。この機械は、高画質で顔の赤みなどを写し出し、さらに、経過画像を並べて比較(可視化)することで、ご自身の顔の状態を客観視することができ、効果をより実感しやすくなります。


治療の流れ
照射治療の前に事前診察を行い、ご本人の希望の聞き取りや今後の治療の流れ、照射回数などを相談、決定していきます。
※保険診療、自由診療ともに必ず紹介状をお持ちください。
Q&A
- Q 痛みはありませんか?
- A 施術時は、ゴムでパチンと弾くような痛みがありますが、ほとんどの方は麻酔なしで施術を受けられます。
乳幼児に対しては、広範囲の場合は全身麻酔下にて行うこともあります。 - Q 副作用はありませんか?
- A 個人によって異なりますが、施術後は腫れや赤み、内出血、痛みなどの副作用が起こることがあります。これらは「ダウンタイム」といってレーザー治療後に見られるもので、通常1~2週間程度で落ち着きます。
- Q 治療期間はどれぐらいですか?
- A 期間は症状により異なりますが、保険適用の場合は3ヶ月に1回の照射となります。
担当医よりメッセージ<br>形成外科医長 石山 智子医師
VbeamIIはいわゆる赤アザ治療に用いられるレーザー機器です。また、保険適用外にはなりますが、ざ瘡瘢痕(ニキビ痕)の赤みや加齢性の赤いほくろ(チェリースポット)の改善にも使用できます。当院では、十分な知識を持った形成外科専門医が適応や照射方法について患者さんやご家族様と相談しながら治療に当たっています。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ
電話:098-850-3811(代表) 受付時間(月~金:8:30~17:30/土:8:30~12:30)