入所者の在宅復帰を全力サポート!
介護老人保健施設友愛園には、ご自宅から日帰りで通いながらレクやその他の活動を通してリハビリを行う通所リハビリテーションと、一定期間当園で過ごしていただき、医師や看護師、介護職等スタッフがその間の医療的ケアやリハビリ訓練、身体ケアを伴いながら生活を支える入所サービスがあります。今回は、入所機能の概要やそこで働く職員についてご紹介します。
友愛園 入所の概要
友愛園入所は3フロアで構成されており、フロアごとに入所の目的(対象)が異なります。
3階 身体状態が重度であり、介護量が多く医療的ケアの必要な方(経管栄養の対応、看取りケアの対応)
4階 特に認知症の症状への対応が必要な方
5階 在宅へ戻ることを目標としたリハビリや、生活支援が必要な方
このような方がご利用いただけます
- 要介護状態の軽減のためリハビリを受けたい
- 家庭での生活(介護)が困難
- 家庭での介護支援環境を整えるまで一時的に利用したい
- 病院から退院するが、家庭に戻っての生活(介護)が不安
- 長期の留守や仕事の都合でしばらく介護できない
安心して過ごしていただくための設備
看取りケアへの対応
終末期のケアが必要になった際には、ナースステーション隣にある部屋を個室として提供し、入所者とご家族が、ゆっくりとお過ごしいただけるように努めています。
遠隔で入所者さんの状態をチェック
ベッドに備え付けのセンサーで、スタッフが入所者さんの体勢や睡眠状態、呼吸数を常時確認することができます。
転倒防止の手すり
トイレには転倒防止の為の手すりを設置し、リハビリも兼ねて自身で排泄が行えるようにしています。
在宅復帰に向けた各職種の取り組み
入所者さんの在宅復帰をかなえるためには、前ページで紹介したような充実した設備だけでなく、多職種間の連携と職員一人ひとりの意識も重要です。ここからは、実際に在宅復帰した事例をもとに、当園の各職種が日ごろ、入所者さんとどのように向き合っているかをご紹介します。
CASE 〜家に帰りたい〜
【はじめに】80代女性Aさん。転倒して腰椎圧迫骨折し入院、退院後にリハビリ目的で当園へ入所。要介護度4で、認知症、過活動膀胱炎、高血圧など、今回の骨折以外にも複数の疾患あり。夫と2人暮らしで、退所後は在宅生活が困難と判断し、自宅ではなく有料施設への入所を希望。
【入所後の様子】施設への入所を目指して「移動」と「排泄」が自分で行えるよう当園でのリハビリを進めていましたが、経過が順調だったこともあり、ご本人とご家族から「やっぱりおうちに帰りたい」との要望が。当初設定したリハビリ課題の「移動」「排泄」に「服薬」も加えて、ご主人の待つご自宅に帰れるよう各方面(職種)からアプローチしました。
【退所後、念願のご自宅へ】排泄に若干の課題は残ったものの、在宅復帰には不可欠だった階段昇降や服薬も自身でできるようになり、入所から約4ヶ月後、無事にご自宅へ戻ることができました。
介護福祉士(竹西智美さん)
当初は自分でできることでも「自分でやろう」という意欲が低かったので、心を鬼にして叱咤激励しました。その代わり、できることが増えると「すごい!」「できるようになったね!」などと声掛けをしてご本人のモチベーションを上げられるように意識しました。

理学療法士(稲嶺仁さん)
リハビリでは“できるADL(日常生活動作)”を“しているADL”にしていくことが重要です。そのため、介護士には「どんどん自分でさせてください」とお伝えしました。ご自宅には21段の階段があったため、リハビリ中は安全かつご本人がやりやすい階段昇降の方法を探りました。

看護師(照屋美代子さん)
ご自宅に戻るためには、排泄を自分でできるようにすることが大きなポイントでした。ただ最初はなかなかうまくいかず、ご本人も気にされてこちらに謝ることもありました。その時は「焦らないで」「無理しないで」といった声掛けをするなど、メンタルケアを意識して少しずつ進めていきました。

施設ケアマネージャー(川満ゆかりさん)
各職種がご本人としっかりコミュニケーションをとれていたので、彼らとのこまめな情報共有を心がけ、プラン作成に活かしました。施設からご自宅へと当初プランからの変更があったため、現場での課題等の変更点があった場合は書面にまとめてご家族に伝えました。

研究発表会などで研鑽を積んでいます
友愛園では、利用者・入所者の方へより良いケアを提供するための課題の共有、職員一人ひとりの自己研鑽を目的に、20年前から研究発表会を開催しています。今年度の法人内の組織編成・統合により、今年は友愛園が所属する友愛ケアセンターの各事業所合同での開催となり、それぞれの取り組みを発表しました。今回1位に選ばれたのは、友愛園通所リハビリテーション。左肩麻痺により調理や外出に不安を抱いていた利用者さんに対し、買い物(外出)から調理までのサポートや、今後の生活における提案を行った事例を紹介しました。
今年度から開始している買い物支援ですが、“リハビリ”となると気が進まない方でも、外出して気分転換をしながら歩行などのリハビリにつながっています。今後は介護士等他職種と連携して、買い物以外の外出などの要望にも応えていけたらと思います。(左:理学療法士・天久衣津子さん、右:作業療法士・大城美幸さん)
