スマートベッドシステムを全床に導入

このたび豊見城中央病院の全268床に「スマートベッドシステム」を導入しました。
このシステムは、患者さんのさまざまな情報を集約化し、共有できるシステムで、ベッドサイドに設置された専用端末で患者さんの睡眠や呼吸数、心拍数などの身体の状態をはじめ、必要なケアやADL(日常生活動作)、当日のスケジュールを確認することができ、医師や看護師、リハビリスタッフ、看護補助者など、患者さんにかかわる全スタッフがスムーズに連携することが可能になります。
また、通信機能付きの測定機器を用いることで入力業務のミス防止や負担軽減につながるなど、さまざまなメリットがあります。

スマートベッドシステムの機能

センサーで患者さんの状態を把握、変化を通知

マット下にある体動センサーから得られた患者さんの睡眠、覚醒、呼吸数、心拍数、背上げ角度などの情報を集約し、ベッドサイドやスタッフステーションの端末に表示します。患者さんの状態の変化も適宜通知します。

患者さんやベッドの状態を一覧で表示

集約された情報は、スタッフステーションの端末で一覧表示、管理することができます。

ピクトグラムで患者さんの情報を一目で共有

歩行や排泄、入浴などのADL(日常生活動作)の項目をはじめ、リハビリ時間など患者さんの情報が一目でわかるよう、ベッドサイドの端末にピクトグラムで表示します。

通信機能付きの測定機器でバイタルサインを入力

さらに、通信機能付バイタルサイン測定機器を端末にかざすことで、その場で測定データを入力することができます。データは電子カルテにも自動的に登録されます。

スタッフステーションの様子
スタッフステーションのモニター画面。患者さんの睡眠や覚醒、バイタルサイン、離床やベッドの背上げの状態などが表示されます

スマートベッドシステムの効果

患者さんの睡眠ケア、急変の早期発見
 スタッフステーションの端末で睡眠状況や呼吸数、心拍数をモニタリングすることで患者さんの変化にいち早く気づけるようになりました。夜間の見守り回数も減らすことができ、就寝中の患者さんを起こさず安眠につながっています。

・患者さんの転倒防止、身体拘束を最小化
 ナースコールを押せないなど、リスクの高い患者さんの体動を早期に把握することでベッドサイドに駆け付けることができます。 

・患者さんの情報の「見える化」 
 ADL(日常生活動作)や必要な介助の変化、リハビリ時間などのスケジュール表示がされ、医師、看護師、リハビリ職など多職種でスムーズな情報共有が実現し、確認もれが少なくなりました。

・スタッフの業務効率化 
 通信機器を使ってベッドサイドの端末にバイタルデータを取り込むことができるので、入力作業の負担軽減や入力ミスの減少につながりました。

現場スタッフの声

仲間麻衣子 主任看護師(3階病棟)

これまでは体温や血圧、呼吸数といったバイタルサインの入力は手入力で行っていました。夜勤の時などは2人体制で45床を見るのですが、手入力のために長い時間がかかっていました。
スマートベッドシステムが導入されてからは、測定機器をベッドサイド端末にかざすだけでデータを入力できますので、作業時間を大幅に短縮できるだけでなく、測定値の履歴がその場で確認できたりと、患者さんの変化にいち早く気づくことができることも良い点だと感じています。

平田浩美 統括看護師長

スマートベッドシステム導入後は、スタッフ間で患者さんの情報が行き渡る時間が以前よりかからなくなりました。また、患者さんが今どこにいるのか、どういう状態なのかがベッドサイドの端末やスタッフステーションのモニターで確認できるので、そのほかのケアや患者さんとのコミュニケーションなどに余裕をもって業務にあたれるようになりました。
モニターで患者さんの様子を確認することで直接の見回り回数を減らし、患者さんの安眠やご家族との時間の確保につながるなど、患者さんにとっても良い面があります。新しいシステムを大いに活用して、患者さんにとってより質の高い医療ケアにつなげていきたいです。

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豊見城中央病院