南部地区における「在宅医療を考える会」を初開催
南部地区(南部6市町)における医療・介護関係者を対象にした「在宅医療を考える会」が3月18日、友愛医療センターで開かれました。会場には約100人の医療関係者をはじめ、院内のサテライト会場にも約50人のスタッフが参加し、関心の高さが伺えました。(※肩書は3月時点のものです)
友愛医療センター副院長の嵩下英次郎医師、訪問看護ステーションSORAの南久美子所長、ゆずりは訪問診療所の屋宜亮兵所長がそれぞれ急性期病院の役割や課題、在宅医療・介護との連携などをテーマにした講演とパネルディスカッションが行われました。

講演で嵩下副院長は、友愛医療センターの課題について、高齢者の入院数や救急搬送数が増加する一方、看護師をはじめ急性期病院での働き手が不足していることを挙げ、医療・介護分野における関係機関との“顔の見える連携”を強化していきたいと話しました。
さらに、今後友愛医療センターが目指す救急医療の姿として、入院治療後はリハビリを強化し在宅へつなげたり、地域の医療機関で治療可能な場合は「下り搬送」によって在宅治療につなげるなど、急性期病院と在宅医療・介護の一層の連携強化や円滑な療養支援体制の構築の必要性を指摘しました。

糸満市で訪問看護ステーションSORAを運営する南所長は、実際に携わった患者さんの事例から、急性期における訪問看護師の役割として、患者さんご本人やご家族が安心して過ごせるように思いに寄り添うだけでなく、病院や施設とのかけ橋となることも大切だと話しました。
ゆずりは訪問診療所の屋宜所長は、在宅医の立場から今後在宅医療に求められることについて発表。急性期病院の医師や看護師離れのほか働き方改革により、急性期医療が縮小する中にあって、患者さんの望む療養と医療の選択肢を増やすためには、在宅医療が急性期医療に近付いていくことが効果的だと話しました。
また、早期退院・入院回避につながるとして「在宅入院」という考え方を紹介し「急性期病院への入院数を減らすことで急性期医療の負担を減らすことができる。そのためには急性期医師と在宅医師が互いに理解を深めて関係を強化していくことが必要だ」と呼びかけました。


3氏の講演後、友愛医療センター地域医療部を管理する西平守邦副院長がファシリテーターを務めたパネルディスカッションがあり、会場からは二人主治医制やがん患者の情報共有のあり方、高齢者の退院後の自立支援など、多様な質問や意見が寄せられました。
友愛医療センターは今後も、医療・介護関係者との連携を通じて地域医療体制の強化に貢献してまいります。